放射線検査について
一般撮影
多くの方が一度は受けたことがある一般撮影検査。撮影される部位は胸部・腹部・骨と多岐に渡っています。レントゲン検査と言われることも多く、エックス線を用いて人体の内部を写し出しています。撮影室だけではなく、ポータブル撮影装置を用いて病室・手術室などでの撮影も行われています。簡便に検査が行え、画像の提供も迅速にできるため、画像検査の中では最も頻度の高い検査であると言えます。
透視検査
X線で透視をしながら、体内の動きをテレビで観察する検査です。消化器科の胃や大腸の検査(バリウムなどの造影剤を使用した検査や内視鏡検査など)、泌尿器科のステント(膀胱から尿を体外に出すための管)交換など、身体の中に入れる医療器具や造影剤が、どの位置で、どのように動いているかをリアルタイムで観察したいときに利用します。その用途は幅広く、様々な検査や治療で利用されます。
CT検査
この検査では撮影台に寝て頂き、撮影台ごと円筒状の穴の中に移動させて撮影を行います。移動中にエックス線を周囲から照射し、コンピューターで処理することにより体の輪切り像を画像化します。撮影中に痛みや熱さを感じることはありません。とても鮮明に撮影することができます。CT検査では全身の検査が可能であり、頭部や心臓、大動脈、気管支・肺などの胸部、肝臓、腎臓などの腹部病変に関しては特に優れています。
MR検査
MR検査では強い磁場と電波を利用し画像を作成しています。放射線を利用していないので被ばくがないことが大きな特徴です。外観はCT装置と似ていますが、それぞれの検査には得手不得手があり、病気の種類や検査を受ける方の状態により適した検査方法が選択されます。磁石を利用しているため体内に医療機器を埋め込まれている方は検査が受けられない場合があります。担当医または検査スタッフにあらかじめお知らせください。
血管撮影
血管内にカテーテルと呼ばれる細い管などを挿入し、造影剤を注入して撮影します。「つまった血管」を広げたり、「瘤による出血」した血管を詰めて止血をしたり、癌を死滅させたりと様々な治療を行う方法もあり、血管内手術やカテーテル治療とも呼ばれています。手首や肘、足の付け根(股関節のあたり)から針を血管に刺し、そこからカテーテルを挿入し、治療すべき血管までカテーテルを進めます。撮影や治療を行う部屋も手術室ではなく、血管撮影室(血管を綺麗に描出することができる機械を備えた部屋)で行われます。
核医学
核医学検査は、心臓や脳、肝臓、腎臓、骨などの臓器の働きを見ることができる検査です。検査する臓器や調べたい内容によって数十種類の放射性医薬品の中から最適な薬品を選択します。その放射性医薬品を体内に投与すると、目的とする臓器や組織に薬剤が集まります。その集まる過程や集まった状態を放射性医薬品が出す微量の放射線を検査装置で検出する事により、臓器や組織の形や働きを調べることができます。またガンの早期発見が出来るとして知られているPET検査も核医学検査の1つです。
マンモグラフィ検査
触ってもわからないような早期の乳がんを発見するための乳房専用のエックス線撮影の検査です。小さなしこりや腫瘤、初期の乳がんにみられる細かい石灰化を見つけることができます。超音波検査と並んで、乳がん発見のための精度の高い検査として行われています。マンモグラフィ検査は、痛みを伴った検査となります。しかし、この検査は乳がん発見のためにとても大切な検査です。痛いというマイナスのイメージはありますが、乳がんは早期発見・早期治療により完治の可能性が高い病気です。
放射線治療
放射線治療は病巣に放射線を照射することにより、がん細胞を死滅させる効果をねらいます。放射線はがん細胞だけでなく、正常な細胞にも同様に作用しますが、正常な細胞はがん細胞に比べ障害の程度が軽く、また障害からの回復が早いとされています。この放射線からダメージを受けてからの回復の差が、治療効果として現れます。放射線治療の優れている点として、1)手術と同様に局所療法であること、2)手術に比べ侵襲度が低く、照射中に痛みや熱さなどは感ないこと 3)放射線治療は機能形態の温存が可能であることが挙げられます。